蔵日誌(2004年)

 

2004年10月1日(金)

写真今回は、県内・清水町の山田錦栽培田にお邪魔しました。

「美山錦」は自社直接の栽培委託契約ですが、「山田錦」は県内の米屋さんが取りまとめや資材供給をしてくれています。
山田錦栽培者のうち松浦さんと、刈りいれ最中の藤田さんにお会いしてきました。JAの北林さん、米屋の亀岡会長も、お立会いいただけました。

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今年は3回の台風襲来で20%程度の被害です。(...涙)
風雨で倒伏すると(※下写真1)、稲穂から発芽(※下写真2)してしまいます。こうなると籾にはなりません。
勿論、健全に生き抜いた山田錦(※下写真3)もあり、こちらが大部分です。
やはり、栽培が上手だと被害も少ないようです。

山田錦の場合、「薄蒔き粗植」と言って通常1坪に60株ほど植えるところを45〜50株まで粗く植えます。肥料を極力控えて健康な土づくりに努めれば、台風に遭っても倒れにくいそうです。

清水町の久野原地区は標高300m近辺で日較差も大きく、東西方向に伸びた谷ですから、山田錦には良いはずです。
和歌山産の酒造好適米の評価をあげていくことに貢献することも地元酒造家の務めだと思います。

台風がおとつい去ったばかりで有田川本流はまだ濁って勢いも強いのに、用水路の水はもう澄んでいました。

写真
写真1: 倒伏した稲  写真2:発芽した稲  写真3:元気に育った稲


2004年9月18日(土)

写真当蔵では、富山県の「五百万石」という酒造好適米を一部使用していますが、今回、機会があり農家、JA、栽培田を訪問してきました。
土壌改良資材等を販売する亀岡食品さん、砺波野JA福野営農センター所長の岩崎様、同JAの営農部販売課長の福田様と同行です。

東砺波郡の井波町は山地が迫りいかにも水はけの良さそうな扇状地ですが、平地の少ない紀州人から見れば広々して平野としての印象が強く、当地は米作に集中しているようで後は豆くらいしか作っていないようです。

ここの大宮司営農受託組合で男2名女2名で34ヘクタールの米作に特化されている、まさに中核農家の岩倉和弘様を訪ねました。

写真このうち3.5haが五百万石ですが、総健農法(※)を採用して見るとたしかに粒張りは良くなるようで、顔も見える関係でもあり今後の展開に期待が持てます。

和歌山では見られない規模の乾燥調整施設を見て、米価や生産費、投入労働時間のお話も伺いましたが、なるほどこれぐらいの規模がないと経営としての米作はやれないのかと思いました。

圃場も平均3反弱できれいに整備され、いかにも効率良さそうです。反当収量7俵台らしいのですが、山裾で水も冷たそうです。こういう農家というか経営体も出現し始めている一方で、採算は取れないが先祖からの田を兼業で維持している農家が圧倒的に多い日本の米作の実情を改めて考える機会になりました。

ご歓迎、ご案内ありがとうございました。


※総健農法

土壌条件を良くするため善玉菌を多く含む良質堆肥を投入し、健全でバランスのとれた土壌づくりで病気に強い土づくりを始める。併せて健全な根を作るため、養分の吸収を助け、根腐れを防止するため光合成細菌を主とする有用微生物群の施肥で根の環境を良くし、稲を丈夫に育て化学農薬などの必要性をなくしより安全な米作りをする。ということを提唱する農法らしい。(パンフ等より勝手に解釈して。)

※写真
田を背景に岩倉氏と。
センター前で亀岡会長も加え。


2004年8月14日(土)

■下駄市

毎年お盆の中日の夕べは「下駄市」と呼ばれるちょっとした縁日のような小規模な祭りを、蔵が所在する黒江・船尾地区は行います。と言って下駄を売っているわけでもなく...。

昔から黒江地区は日本三大漆器産地として有名で、商人、職人が密集して住み、諸国からも多くの奉公人を受け入れていました。 そして、奉公人の盆の里帰りに、下駄を買い与えたのが由来とされます。

酒蔵が東端にあたる川端通りは、昔は掘り割りが中央に通り海まで続いていましたが、その通り沿いには夜店が出、蔵前の広場はフリーマーケットになります。
今はお盆に帰省した人や近郷の人々のお盆の夕方、夕涼みにでかける一種の風物詩として楽しまれています。

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2004年8月6日(金)

写真今年ものみきりを実施し、25本のタンクについて熟成度、酒質、火落ちの有無等を検査しました。 冷房がききすぎで酒が若い面もあり、火入れ出荷する分については保管温度の検討も必要であると感じました。


2004年7月5日(月)

■弊社からのお知らせ
「半透明の外装袋をはずす方針」と発表していましたが、冷蔵後の運送でラベルずれが多発するため、暫く元に戻すことにさせていただきます。外装袋があると表面張力等により、濡れてもラベルがズレない効果が大きく 、純米酒等冷蔵保管される事の多い製品では、糊を変えない限り難しいと思います。強い糊にすると今度は回収した瓶の再利用で支障がでます。悪しからずご了承下さい。


2004年5月24日(月)

写真5月1日、橋本市の木工業者の大弥工芸さんと情報交換してきました。
代表の奥村浩章さんは希代のアイデアマンで、木の名刺、万葉絵はがき、置物類等の「木の国」和歌山の土産物グッズから梅炭枕、芳香液、梅エキスまで製作している会社ですが、「酒林(さかばやし)」を製作して、販売させているつまり発案者兼製造者です。
http://www.kuroushi.com/sakabayashi

今年は、高野山と紀伊山地の霊場が世界遺産に登録される見込みなので、企画・営業に勤しまれていました。
和歌山県内の道の駅や観光地のお土産屋でここの製品をみないことは稀です。地味に主に木を加工している工場ですが、アイデアを続々と出して各方面へ積極的に働きかけている点で、いつも勉強させていただいている社長さんです。

■大弥工芸
TEL 0736-34-2340 和歌山県橋本市河瀬444
http://www.cypress.ne.jp/h-kankou/daiya/

(写真は、看板の試作品を示す奥村浩章氏、後ろに酒林の試作品が見える)


2004年4月3日(土)

写真甑倒しも4月5日に迫り、造りも終盤に至った頃、風来蔵元は関東方面へ。
埼玉県は鴻巣の地酒商「金星かねこや」さんのイベントで、やや打ち上げ気分に浸っていました。

店主の金子恵昭さんは販売店横に「筋斗雲チキンpazu」なる無国籍風居酒屋を自ら改築して併設。年4回くらいは「カスタマー・オン・ステージ」として、ライヴ演奏会を開催しています。

金子さん自身もピアノ・ボーカルで参加して、チャックベリーや憂歌団とか、なつかしいのを聞かせていただきました。
いろんなグループが出てきてフォーク、ラップ何でもありです。
ディープ・ローカルのコンセプトは、今の酒業界でも最も求められているノリです。

これだけエネルギッシュなら何でもできますよ、マスター。
お近くの方は覗いてみて下さい。

■金星かねこや・筋斗雲チキンpazu
JR高崎線北本駅の北西方約1.0km(直線)
埼玉県鴻巣市小松3-1-26
TEL:048−542−3111
(休・火曜)
http://www.ksky.ne.jp/~yoshi/

※写真は、金子恵昭さん


2004年2月25日(水)

2月23日(月)、大吟醸の上槽を行いました。

私どもは「吊し」とか言いますが、タンクの上でもろみを柄杓で酒袋に汲み取り、これを別の小さいタンクの上に棒を渡し、紐でくくって吊し下げます。
そして、タンク下側の「ノミ口」から原酒をタラし、斗瓶に受けていきます。

ノミ口、漏斗、斗瓶の口を アルミホイルで覆っているのは、香りが飛ばないようにです。吊したタンクの上もビニールで覆ってしまいます。

20L程度入る斗瓶ですが、1仕込みから5本くらいが取れます。1本目はややオリ(濁り)が多く、2〜3本目くらいが鑑評会には適するといいます。

したたり落ちるのが止まると吊した酒袋は降ろして、汲み取らなかった分と併せて絞り器に掛けて、通常商品としての大吟醸になります。
つまり「斗瓶取り」とは大吟醸の中でも、最高の部分ということですね。

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