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秋、米の収穫が終わると酒造りが始まり、年末になるとその年の新酒が出来上がります。
そして、酒蔵の軒先には杉の葉を束ねて丸く刈上げた「酒林」が吊るされます。青々としたそれは「今年も新酒が出来ました」という酒蔵から近所の人々へのお知らせでした。
杉の葉が枯れ、茶色く色づいていく様は、新酒のフレッシュな味わいがこなれ、熟成された芳醇な味わいへの変化の過程をイメージさせます。
酒林は蔵人が毎年新しいものをつくり、架け替えてきたものですが、時代と共に毎年架け替えることも困難になり、次第にその本来の目的からはずれ酒蔵のシンボルとしての意味合いが強くなりました。
近年では材料不足や作れる人の減少などが進みましたが、当社では林業農家との提携等により、「“木”の国・紀州」の良質な杉葉を使用した、高級規格の「酒林」を10年以上にわたり販売してきました。 |
古来は箒(ほうき)状に枝を束ねたもの、鼓状に中央部がくびれたもの等、地方や時代により形状が異なったようですが、次第に球状のものが全国的に普及します。このあたりは香川県の金比羅山ふもとの「金陵の里」資料館さんに豊富に展示されています。
屋根をつけたものや注連縄(しめなわ)を巻いたものなどの地方による違いは現在でも残っています。
オーストリアのホイリゲ(ワイン農家等の庭先で新酒を飲ませる居酒屋)では、松の枝を束ねたものを店先に吊るします。材料や形状の違いはあれ、洋の東西でこのような風習の一致が見られるのは奇妙でもあります。
杉という木は古くから酒と深くかかわってきました。軟らかく加工しやすいことや、その成分が殺菌効果を持つことなどで、酒樽や桝に利用されています。
最近は、杉の発するフィトンチッドという物質にストレスを和らげる癒し効果のあることが注目されています。
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